一般社団法人の機関設計

一般社団法人において、社員総会と理事は必置機関です。
また、定款の定めによって、理事会、監事、会計監査人を設置することができます。

①社員

社員総会を構成する社員とは、一般通念上の社員つまり従業員とは異なります。株式会社における株主と似ていて、一般社団法人の組織、運営等について決議をする最高機関たる社員総会に参加し、決議をする者のことです。

②社員総会

社員総会は、年に1度必ず開催しなければなりません。株式会社における株主総会のようなもので、一般社団法人の組織、運営、管理その他一般社団法人に関する一切の事項について決議します。
最低2名以上の社員で社員総会を構成します。なお、理事会の設置非設置により、社員総会の権限について多少異なります。

③理事

理事とは、株式会社における取締役のようなもので、一般社団法人の業務を執行する機関です。最低1人以上の理事を置かなければなりません。
社員とは異なり、自然人しか就任できません。理事の任期は原則2年ですが、定款や社員総会の決議によって短縮することができます。
理事会を設置する場合には、理事が3名以上必要です。通常、そのうち1名が代表理事となります。
一般社団法人と理事との関係は民法の委任規定に従います。つまり理事は、一般社団法人に対し 善管注意義務を負います。また、忠実に職務を行う義務もあります。

④理事会
理事会の設置するには、3名以上の理事と1名以上の監事を置く必要があります。
株式会社の取締役会が、3名以上の取締役と1名以上の監査役を置くのと似ています。
理事会の職務は以下の通りです。
1.一般社団法人の業務執行の決定
2.理事の職務執行の監督
3.代表理事の選定と解職 理事会の決定により、代表理事を1名以上置くことができますが、代表理事は必ず理事から選定します。 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第90条4項により、理事会は、以下に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を理事に委任することができないと規定されています。

1.重要な財産の処分及び譲受け
2.多額の借財
3.重要な使用人の選任及び解任
4.従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
5.理事の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他一般社団法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
6.役員等の一般社団法人に対する損害賠償責任の免除 理事会は原則3ヶ月に1回開催することになっています。また、理事会の招集は、定款や理事会において招集権者を定めない限り、各理事が行うことになります。

⑤監事

監事とは、理事の業務状況を監査します。株式会社の監査役のようなものです。
監事は、必置機関ではありませんが、理事会を設置した場合は必ず置かなければなりません。 監事の任期は原則4年ですが、定款に規定することで、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時まで短縮することができます。
また、任期満了前に退任した監事の補欠者の任期は、定定款に規定することで、退任した監事の任期の残存期間とすることができます。

⑥会計監査人
会計監査人は、必置機関ではありませんが、貸借対照表の負債額が200億円以上の大規模一般社団法人の場合は必ず1名以上置く必要があります。
任期は1年以内ですが、会計監査人は役員には含まれませんので、理事や監事と違って、原則重任登記は不要です。

以上、各機関の説明をしてきましたが、一般社団法人を設立する場合、以下の5パターンから機関設計を選択することになります。

1.社員総会+理事
2.社員総会+理事+監事
3.社員総会+理事+監事+会計監査人
4.社員総会+理事+理事会+監事
5.社員総会+理事+理事会+監事+会計監査人

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