登記申請の手続きをしましょう
いよいよ、会社の設立登記を申請します。登記の申請の際には、定款や払込証明書など、今までに準備してきたものの他にも必要な書類があります。登記の申請から完了までには、約10日ほどかかります。(法務局の処理状況により異なります。)
登記申請の注意事項
登記申請書類を作成するまえに、申請手続きについての注意事項をまとめましたので、目を通しておきましょう。
1.登記申請人及びその代理人
登記の申請は、法令に特別の定めがある場合を除き当事者が申請することになります。会社の登記においては代表者(設立等の登記については会社を代表することとなる者)が会社を代表して登記の申請をします。また登記の申請については代理人によってすることも認められています。
2.登記の申請の方法
登記の申請は当事者又はその代理人が登記所に出頭又は郵送等によりすることができます。なお,オンライン登記申請につきましては,「http://shinsei.moj.go.jp/」を御覧ください。
3.登記期間
会社に関する登記の多くは一定の期間内に申請をすべきことが定められています。この期間を過ぎて登記しても登記の効力に問題はありませんが過料の制裁を受ける可能性があります。
4.申請書
登記の申請は書面でしなければなりません。申請人が会社である場合の申請書の記載事項は次のとおりです。
- 商号及び本店並びに代表者の氏名及び住所
- 代理人によって申請するときはその氏名及び住所
- 登記の事由。どのような理由によって登記するかを簡潔に記載する。
- 登記すべき事項法令の規定により登記しなければならない具体的事項又は登記できる具体的事項を記載する。
- 登記すべき事項について官庁の許可を要するときは許可書の到達した年月日
- 登記すべき事項が外国において生じた場合の登記の申請であればその通知書到達の年月日
- 登録免許税の額及びこれについて課税標準の金額があるときはその金額
- 申請の年月日
- 登記所の表示
※なお法定の記載事項ではありませんが余白に申請人の連絡先電話番号を鉛筆書きで記載してください。
5 申請書作成上注意すべき事項
<横書き>
申請書は横書きでなければなりません。添付書面は横書きが望ましいですが縦書きでも差し支えありません。
<記載する文字>
文字をはっきりと書いてください。数字を記載するときは,アラビヤ数字又は壱, 弐,参のように改変の難しい文字を使用しなければなりません。
ただし,添付書面が縦書きの場合は,アラビヤ数字を用いることは,適当でありません。また,けた数の多い数字を表記する際には,千,万,億等の単位を示す文字を用いても差し支えありません。
<申請書の押印>
申請書には,会社の代表者が登記所に提出してある印鑑(又は申請書とともに提出した代表者の印鑑)を押印しなければなりません代理人によって申請する場合には代理人が押印します。申請書(収入印紙貼付台紙を含む)が2枚以上にわたるときは,申請書に押印した人が各ページのつづり目に契印(割印)してください
<文字の訂正>
記載した文字を訂正等するときは,訂正前の文字が見えるように線で消し,挿入又は削除した文字の数をその部分の欄外に「何字加入」又は「何字削除」と記載して申請書に押印した人が,欄外のその部分に押印してください。
<申請書の作成に使用する筆記用具等>
原則として黒インク(ボールペンを含む)を使用することになっていますが、文字が簡単に消えてしまうようなものでなければ、ワープロやパソコンのプリンターから出力されたものでも差し支えありません。
<申請書に用いる用紙>
なるべく日本工業規格A列4番の用紙を用いることが好ましく,紙質は申請書の保存期間(5年)に耐える程度の強度の用紙を使用してください。
<原本還付(添付書面の還付)>
登記の申請書の添付書面は,原本を添付するのが原則ですが,議事録,許可書等当事者が原本を保管する必要があるもの又はそれを欲するものについては,その原本の還付(返還)を請求することができます。
この場合には,必要となる書類のコピーを作成し,そのコピーに「原本に相違ありません」と記載の上,申請書に押印した人がそのコピーに署名(記名)押印(2枚。以上になるときは,各用紙のつづり目ごとに契印(割印したものを申請書に添付して,原本とともに提出してください。
別途,原本還付の請求書を作成する必要はありません。
なお,委任状等原本還付ができない場合もありますので,申請書を提出する際には,登記所に御確認してください。
<登録免許税>
登録免許税は,収入印紙又は領収証書(登録免許税額に相当する金銭を納付書とともに日本銀行又はその代理店に納付すると交付されます)で納めてください。収入印紙貼付台紙等に貼付した収入印紙は,汚したり割印をすると,無効になってしまいますので注意してください。
6.法人等の登記について
会社以外の法人等の登記についても,基本的な取扱いは会社と同様です。なお,登録免許税については,納付を要する法人とそうでない法人があります。
登記申請書類の作成
いよいよ登記申請の準備です。ここまでで、定款や、払い込み証明などは作成してきたと思いますが、あと残り少しで完成です。
この章で作成するのは、
①設立登記申請書
申請書類の表紙になります。添付する書類や会社の形態によって記載内容が若干変わります。サンプル内に詳細な説明を記載しておきましたので、参照してください。
>> 設立登記申請書サンプル(取締役会非設置パターン)
>> 設立登記申請書サンプル(取締役会設置パターン)
②登記すべき事項の磁気ディスク
平成17年3月7日から登記事務がコンピュータ化された登記所においては、申請書に記載する事項のうち、登記すべき事項について、申請書の記載に代えて磁気ディスを提出することができるようになりました。この場合OCR用紙の提出は不要です。
要するに、登記すべき事項については、テキストファイルで作成して、フロッピーディスクに入れて提出できるということです。
厳密な決まりがありますので、サンプルを確認しながら作成してください。
(注意)
コンピューター化されていない法務局では従来どおりOCR用紙による提出となりますので、必ず管轄の法務局へ確認してから作成するようにしてください。
コンピューター化された登記所についてはこちらからもご確認いただけます。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/kankatsu_index.html
>> OCR用紙の書き方
③代表取締役の印鑑届出書
会社代表印を、本店を管轄する法務局に、設立登記申請と同時に届け出る必要があります。届出方法は至って簡単。印鑑届出書という用紙に必要事項を記載して、届け出る印鑑と届け出た人の個人の実印を押印し、登記書類と一緒に提出するだけです。
>> 印鑑(改印)届出書ダウンロードはこちら
>> 印鑑(改印)届出書記載例サンプルはこちら
法人登記申請に関わる、書式は法務局のホームページからもダウンロードできますので、参考にしてみましょう。(http://www.moj.go.jp/ONLINE/COMMERCE/11-1.html)
取締役会非設置会社 | |
提出書類 | 備考 |
設立登記申請書 | |
磁気ディスク | 登記すべき事項をFDに入れたものです。 |
定款 | 『謄本』と朱印されたもの。 |
取締役・代表取締役の印鑑証明書1通ずつ | 発行後3ヶ月以内のものを使用します。 |
払い込みを証する書面 | 通帳のコピー |
資本金の額の計上に関する証明書 | |
印鑑届出書 | 会社代表印を届け出るための申請書です |
就任承諾書 | 定款で取締役を定めていない場合、または発起人以外が役員になる場合に必要です。 |
本店所在地決議書 | 定款に本店所在地を行政区単位までしか記載していない場合に必要です。 |
設立時代表取締役決議書 | 定款で設立時代表取締役を専任していない場合に必要です。 |
調査報告書 | 現物出資をする場合に必要です。 |
財産引継書 | 現物出資をする場合に必要です。 |
委任状 | 代理人が申請にいく場合、必要です。 |
取締役会設置会社 | |
提出書類 | 備考 |
設立登記申請書 | |
磁気ディスク | 登記すべき事項をFDに入れたものです。 |
定款 | 『謄本』と朱印されたもの。 |
取締役・代表取締役・監査役の印鑑証明書1通ずつ | 発行後3ヶ月以内のものを使用します。 |
払い込みを証する証明書 | 通帳のコピー |
資本金の額の計上に関する証明書 | |
印鑑届出書 | 会社代表印を届け出るための申請書です |
就任承諾書 | 定款で取締役を定めていない場合、または発起人以外が役員になる場合に必要です。 |
本店所在地決議書 | 定款に本店所在地を行政区単位までしか記載していない場合に必要です。 |
設立時代表取締役決議書 | 必ず必要です。 |
調査報告書 | 現物出資をする場合に必要です。 |
財産引継書 | 現物出資をする場合に必要です。 |
委任状 | 代理人が申請にいく場合、必要です。 |
登記申請
さて、全ての書類を作成したら、登記申請に行く前の最終準備をしましょう。
まず、書類を以下の順番でまとめます。
①株式会社設立登記申請書
②登録免許税納付用紙
※申請時に登録免許税として、税額分(払込資本金の7/1000又は資本金が2,142万円未満の場合は15万円)の収入印紙を貼って納付します。
③定款
④払込のあったことを証する書面
⑤設立時代表取締役選定決議書、本店所在地決定書または発起人会議事録など
⑥取締役・監査役の調査書(現物出資がある場合)
⑦役員の就任承諾書(必要な場合)
⑧資本金の額の計上に関する証明書
⑨印鑑証明書
⑩委任状(代理人が申請する場合)
⑪OCR用紙(FDの場合は不要)
⑫印鑑届出書
まず、上記①~⑩をホッチキスでとめます。
そして①と②の間に会社代表印(登記申請書類に押印した物と同じ印鑑)で契印します。申請書が複数ページの場合は、全てのページに契印します。
⑪と⑫はホッチキス厳禁です。クリップでとめましょう。
(FDの場合は、印鑑届出書一枚だけ、他の用紙とは分けておきましょう)
そして最後に全てを大きなクリップでとめるか、クリアファイル等に入れましょう。
心配な方は、上記書類をとりあえず全てそろえて、ホッチキスではとめずに、クリアファイルに入れてそのまま申請すれば、法務局の窓口でホッチキス止めしてもらえます。
全ての用意が整ったら、本店所在地を管轄する法務局に申請します。管轄が分からない方は、こちらで探してからいきましょう。
>> 法務局管轄一覧
法務局にいったら、商業登記窓口へ、書類を提出するだけなので、あっけないほど簡単です。(郵送でも申請できます)
書類を提出した日が『会社設立日』と、なります。
ただし、まだこの段階で登記完了するわけではなく、一定の審査が必要ですので、すぐに登記簿謄本等の取得ができるわけではありません。法務局の混み具合によって、審査にかかる日数が変わりますが、10日前後はみたほうがよいでしょう。
登記完了予定日は、申請した日に口頭で聞いたり、窓口に書いてあるところもありますすが、法務局により違うで、直接聞いたほうが早いでしょう。
(電話で聞いても教えてもらえます)
書類に修正が必要だった場合のことを考え、会社代表印は必ず持参して行きましょう。
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