会社設立のPROトップ > 稼げる!起業アイディア>第79話
アジア旅行者
アジア旅行者について考えてみました。
2014年4月22日更新
第79話 アジア旅行者 |
設立ちゃん:消費税のアップもそうだけど、高齢化が進んで買い物意欲が減退してしまうのは問題よね。 起業君:消費の低迷は、中小企業や小売店舗への影響が大きいから、内需の拡大策を模索していく必要がありますね。 博士:具体策として効果的なのは、経済的に豊かな外国人を日本へ呼び込むことじゃな。 起業君:実際、観光や仕事で来日する外国人旅行者は、急増していますね。 設立ちゃん:2020年には東京オリンピックが計画されているし、増加傾向は続きそうよね。 博士:訪日外国人の国籍地域は、北米10%、欧州9%であるのに対して、韓国、中国、台湾などのアジア地域からの来訪者が76%と大多数を占めているんじゃよ。経済的に成功した富裕層の割合が多いから、日本にとっての優良客であることは間違いないのう。 起業君:たしかに。 博士:ところが、日本を訪れるアジア人旅行者の詳しい特性を分析している日本企業は意外と少ないんじゃよ。 設立ちゃん:そうなんだあ。 起業君:最も多額の買い物をしているのは、中国人でしょうか。 博士:中国人旅行者は、家電製品、化粧品、衣類などの高額品を大量に購入していて、これは欧米の旅行者にはみられない傾向じゃのう。 設立ちゃん:そういえばニュースで炊飯器を何台も購入しているのを見て、びっくりしたわ。 博士:それは中国人の中でも、日本へ旅行できる者の条件が制限されていることに関係しておるんじゃよ。 設立ちゃん:そうなの? 博士:中国人が、日本行きの個人観光ビザを取得するには、一定額以上の年収があり、かつ、自分名義の不動産や金融資産を保有しており、旅行前に保証金を差し入れることが条件になっておるんじゃ。 設立ちゃん:へえ~。 博士:そのため、上流層の中国人でなければ、日本への旅行をすることができず、来日の機会には、たくさんの日本製品をお土産として購入するというわけじゃ。 起業君:日本の電化製品は人気があるし、一部を帰国後に転売して収入を得ることもあるそうですよ。 博士:中国通貨は国外へ持ち出せる金額にも制限があるんじゃ。そのため、旅行中の高額な買い物は、カードで決済をすることが多いのう。 設立ちゃん:ふんふん。 博士:ただし、中国ではクレジットカードで信用決済できる額が低く、銀行口座から直接引き落としをするぎんれんカードというデビットカードを使うんじゃ。日本の小売店が中国人旅行者を集客するには、ぎんれんカードの加盟店になることが重要じゃな。 起業君:なるほどですね。 博士:地方の観光地などでは、商工会議所が窓口となって、その地域全体の店舗がぎんれんカードでの支払いに対応することで、中国人旅行者の集客を促すことができるかもしれんのう。 設立ちゃん:中国人旅行者の多くは、旅行前にインターネットで情報収集をして日本国内の訪問先を決めているらしいから、中国語で情報発信をするWebサイトもあった方がいいよね。 起業君:観光客を増やす以外に、いい手段はありますか? 博士:ビジネスを目的とした商用客の獲得には、国際的な会議を日本へ誘致することの効果が大きいのう。 設立ちゃん:国際会議ってサミットとか?そんな簡単に日本開催とはいかないわよね? 博士:サミットや首脳会議以外でも、国際的な学術組織の研究発表会、業界団体が主催する展示商談会、世界に支店網を広げている企業のディーラーズ・ミーティングなどがあるんじゃよ。 会議の規模によって、数百人から1千人を超えるものまであって、参加者本人に同行する家族やプレス関係者なども含めると、日本にとっては大きな経済効果が期待できるのう。 設立ちゃん:なるほどね。 博士:世界には、国際的な会議や学会運営を専門とする会社が多数あって、ビジネス旅行の手配から管理だけでも年間で3400億ドルを超す市場規模があるんじゃが、日本では未開拓の分野だと言われておるのう。 設立ちゃん:あとは何が考えられるかしら? 博士:今後の日本は人口の減少が避けられないため、それを補って、さらに経済を成長させるには、アジアの富裕層を、観光だけでなく、ビジネスや定住地として呼び込もうとする発想を持つことが大切じゃのう。 起業君:オーストラリアやシンガポールでは、優秀な外国人を積極的に受け入れる移民政策を行っているので、そこから学べる点は多いですよね。 博士:これから、日本の国内総生産を高めていくには、日本人だけの消費に頼るのではなく、来日する外国人ビジネスマンの数を増やして、彼らが日本で事業をしやすい環境を整備することがとても大切なんじゃ。個人の国際会議コーディネーターや、スモール旅行会社などが関われる余地があるかもしれんのう。 稼げる!起業アイディアを発掘!のTOPへ戻る |