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キット
キットについて考えてみました。
2014年3月17日更新
| 第74話 キット |
| 設立ちゃん：パンを焼いてみたんだけど、どうかしら？ 起業君：とってもおいしいです！どこかで習ってきたんですか？ 設立ちゃん：いいえ。初めて作ったのよ。 起業君：本当に！？上手ですねえ！ 設立ちゃん：実はね、パン作りのキットを使ったのよ。 起業君：キットって、なんですか？ 設立ちゃん：パンを作るのに必要なボウルとか、計量スプーン、メジャーカップでしょ。それに、パンを切るためのナイフ、小麦粉、イースト菌といった材料がセットになっているのよ。 起業君：すると、何も持っていなくても、キットがあれば簡単に自家製パンが作れるんですか？ 設立ちゃん：そうなの。２回目以降は、材料だけを購入すればいいのよ。 博士：100％完成された製品を提供するのではなく、メーカーが材料やパーツを提供して、製品の組み立てはユーザー側が行うようにすれば、メーカーの負担は軽くなって、当然製品価格は下がるわけじゃ。ユーザーは、安いことに加え、自分で作る楽しみを得られるということで人気のようじゃ。 起業君：例えば、どんなものがあるんですか？ 博士：米国ではヘリコプターのキットが発売されているようじゃ。 起業君：へえ～。すごいですねえ。 設立ちゃん：家具の製造販売で世界的な成功を収めているIKEAも有名よね。 起業君：自分で組立てる分、価格も安価に抑えられているんですよね。 博士：ログハウスのキットを販売している住宅メーカーもあるのう。 設立ちゃん：でも、ヘリコプターとか住宅とか、安全基準は大丈夫なのかしら？ 博士：ヘリコプターはオートローテーションというシステムのおかげで、緊急時にも墜落しにくい構造になっているんじゃ。それに、機体が完成した後には専門家の検査サービスもキット価格の中に含まれて、ついでに操縦トレーニングも完備しているようじゃ。 設立ちゃん：ふんふん。 博士：ログハウスに関しては、作業の各工程で、メーカーの研修やサポートを受けることができるし、家が完成した後には品質チェックをしてくれるから安心じゃよ。 設立ちゃん：なるほどね。 起業君：さすがに、ヘリコプターや住宅は手が出ないけどね。もっと身近なものはありませんか？ 博士：では、料理はどうじゃな。 起業君：夕食の材料が、セットになって宅配されるというサービスですか？ 博士：いや。普段の料理ではなく、プロのシェフが作るような料理が、自宅で作れるＤＩＹキットサービスじゃよ。 起業君：それなら興味がありますね。 博士：高級レストランのような凝った料理は、特別な食材やスパイス、調味料を使うことが多いが、普通のスーパーマーケットで入手することは難しいし、あったとしても、使う分量が少しなのに、瓶単位で買うのは、いかにも不経済じゃな。そこで、ＤＩＹキットでは、レシピに書かれている調味料や香辛料を必要な分量だけパッケージにして、すぐに調理に取り掛かれるようになっておるんじゃ。肉や魚、野菜などの生鮮品も、地域で収穫されたものが適切なサイズで提供されておる。 設立ちゃん：へえ～。来客の時にとってもいいわね。 博士：ワイン用のキットもあるんじゃ。日本では酒税法の関係で広く伝えられていないが、自家製のワインを作るのは意外と簡単で、生のブドウや、天然100％のブドウジュースに酵母菌を加えて発酵させることで、アルコール成分のあるワインになるんじゃ。 設立ちゃん：キットって、いろいろな方面で販売されているのね。 起業君：ＤＩＹは楽しそうだけど、準備が大変そうだったんですよね。 設立ちゃん：そうね。でも、キットを使えばいろいろなことが体験できそうね。 博士：新興国で作られた製品は安いけれど、品質では満足できない面がある。手先な器用な日本人は、実はＤＩＹに適していて、キットメーカーやインストーラーの登場が、新たなスモール製造業のスタイルを生み出していくのかもしれないのう。 
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