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相続人の確定
今回は、民法に規定される法定相続です。
配偶者は常に相続人になります。
そして、子・父母・兄弟姉妹の順で、血族相続人が決まります。
もし、子が死亡している場合には、孫が代襲相続します。
兄弟姉妹が相続人になるには、被相続人に子や父母がいない場合に限られます。
遺産分割協議は、相続人全員の参加が必要ですので、協議の前に、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍を調べて、相続人を確定します。
一般的に、結婚により新戸籍を作成しますので、結婚前には被相続人は父母の戸籍に入っています。彼らの戸籍謄本を取得して、例えば結婚前に隠し子がいないかどうかを調査する必要があります。
もし、父母が死亡している場合は、戸籍は閉鎖されているので、除籍謄本を取得します。なお、現在は謄本の呼び名が変わっていて、戸籍謄本は戸籍全部事項証明書、除籍謄本は除籍全部事項証明書です。
次に、相続人の確定における注意点です。
1.胎児
人は出生によって権利能力を持ちますが、相続に関しては胎児は生まれているものとみなされます。
2.未成年者
相続人が未成年の場合には、遺産分割協議に参加できません。また、親が相続人の場合は、利害対立しているということで、親が未成年者の代理人になることもできません。よって、家庭裁判所で特別代理人を選任してもらいます。
3.行方不明者
失踪から7年以上経過していれば、家庭裁判所に失踪宣告の申し立てをします。家裁の審判が出れば、失踪している相続人は死亡したものとみなされます。もし、遺産分割の後に失踪者が生きていることが判明した場合は失踪宣告は取り消され、失踪者には相続分の請求権が発生します。しかし、他の相続人が失踪に関し善意であれば、相続財産が残存する範囲で返還すれば足ります。
上記の様に失踪宣告を申し立てたくない場合は、家庭裁判所に不在者財産管理人を選任してもらい、その管理人と遺産分割協議をすることになります。
さて、相続財産にはマイナスのものもあります。借金などですね。
もし、不動産や預貯金といったプラス財産よりもマイナス財産の方が多い場合は、当然、相続しない方が賢明です。
そういう訳で、相続人には相続をするかどうかの選択をする権利があります。
(1)単純承認
(2)相続放棄
(3)限定承認
単純承認は普通に相続を受けることです。
マイナス財産が多いと予想されるときには、相続放棄の手続きをします。
相続の事実を知った時から3か月以内に家庭裁判所に対して相続放棄の申述をします。
相続のプラスマイナスがわからない時に利用できるのが限定承認です。3か月以内に相続人全員で、家庭裁判所に対して限定承認の申述をします。また、相続人の一人が財産管理者になり、公告手続きをします。