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職務上請求
昨日、千葉県行政書士会の倫理研修会に参加しました。
2年前にも参加したのですが、全5日の講習日程のうち、
1日参加しておらず、修了証書をもらうための補講です。
今回は職務上請求書の取り扱いについてです。
許認可申請などで申請者や役員の住民票の写しや戸籍謄本など
様々な書類を添付する必要がありますが、
職務上請求とは、行政書士等の国家資格者が本人のために、
本人になりかわり各種証明書の取得ができる制度です。
しかし、この制度を悪用し、本人のプライバシーを侵害する国家資格者もいます。
新聞などにもよく報道される悪質なケースでなくても、
制度の趣旨をよく理解せず、知らず知らずに違法行為をする人もいます。
慎重に取り扱う必要がありますし、各士業が倫理研修を通じて、
一層の注意喚起をする必要があるでしょう。
さて、職務上請求の趣旨とはどういうものでしょう。
職務上とありますので、行政書士の職務遂行に必要な場合にのみ、
職務上請求書の使用が認められます。
例えば、建設業許可申請において、役員の住民票や身分証明書が必要ですが、
この場合は当然、使用が認められます。
宅建業許可や古物商許可、パスポート発給申請代行も問題ないです。
しかし、会計記帳代行は使用不可という判断です。
この業務は確かに行政書士もできますが、そもそも誰でもできる業務なので、
行政書士の職務とは認められません。
つまり職務とは、行政書士法第1条の2、1条の3に規定された業務のみを
指すとのことです。
単純に戸籍謄本や住民票の写しの交付請求依頼があったとしても、
職務上請求書の使用は不可です。依頼者本人からの依頼であったとしてもだめです。
面白かったのが、次の事例です。
家系図作成のために請求理由で、依頼者の血族の除籍謄本は取得できるか?
答え・・・できない。
以前は、家系図作成は行政書士法第1条の2における事実証明に関する
書類として、行政書士業務とされていたそうですが、平成22年の最高裁判決で、
一転して行政書士業務ではないという判断がなされたようです。
なんでも、鑑賞ないし記念品として作成された家系図は行政書士業務に該当せず、
しかし、事実証明文書としての親族関係図や相続関係説明図の作成は、
行政書士業務に該当するとの判断です。
つまり、鑑賞用の家系図作成は行政書士の独占業務ではなく、
誰がやってもOKというお仕事ですという判決なのですね。
まあ、こんなお仕事を頑張ってた行政書士がいたんですね。
驚きです。
さて、この補講にて倫理研修は全て終了し、修了証書をもらいました。
実は私、千葉会だけでなく東京会でも倫理研修の修了書持ってるんですよね。
自慢にもなりませんが、何回も倫理研修を受けているので、
法に則った業務遂行には少し自信があります。
また、来週には建設業の研修にも参加します。
いろいろな業務研修に参加して、実務能力を高めていきたいものですね。