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増資手続き(１)
最近、増資手続きの依頼を受けました。
会社設立の手続きをさせていただいたお客様で、
２年ぶりくらいですかね。嬉しいご依頼です。
今回の増資は一般的な金銭による増資ではなく、現物出資です。
具体的には、車やパソコンにような物品ではなく、
会社に対する貸付金の現物出資です。
中小企業経営の場合、資本金が少なく、資金が足りないときに、
社長個人が会社に対して資金を拠出することが多いです。
売上が大きくなって会社に現金預金が増えてきたら、
会社から社長に返金するケースが多いですが、
今回は社長の保有する金銭債権を現物出資して、
会社の資本金を増やすという選択になりました。
また、会社には利益剰余金が存在しているので、
ついでに資本金に振り替える手続きも同時に行います。
珍しいケースなので、作成した書類を公開します。
まず、株式会社変更登記申請書です。
１．商号 株式会社ＡＢＣ
１．本店 千葉市稲毛区小仲台二丁目１１番１号
１．登記の事由 募集株式発行
その他利益剰余金の資本組み入れ
１．登記すべき事項 別紙の通り
１．課税標準金額 金１０００万円
１．登録免許税 金７万円
１．添付書類
臨時株主総会議事録 １通
募集株式申込書 １通
資本金額の計上に関する証明書 １通
その他利益剰余金の額に関する証明書 １通
委任状 １通
上記のとおり登記の申請をします。
平成２５年 月 日
千葉市稲毛区小仲台二丁目１１番１号
申 請 人 株式会社ＡＢＣ
東京都品川区上大崎１丁目１番１号
代表取締役 山本一郎
千葉地方法務局 御中
現物出資の方の登記の事由は、金銭出資と同じく募集株式発行です。
・・・・・
次に、株主総会議事録のポイントです。
その他利益剰余金の資本組み入れについては、次のような文章を記載します。
議長は、会社法第４５０条の規定に基づき、利益剰余金３００万円を資本に組み入れたい旨を述べ、
以下の事項につきその承認を求めたところ、満場一致の決議をもって原案どおり可決確定した。
記
１．増加する資本金の額 ３００万円
１．効力発生日 平成２５年７月７日
上記金額の証明は必要なので、貸借対照表に会社代表印を押印し、
申請書類に添付します。
募集株式発行に関する件に関しては、金銭出資と大きく違いませんが、
以下の部分に注意が必要です。
１ 発行する募集株式につき、現物出資をする者の氏名、出資の目的である財産、
その価額並びにこれに対して与える株式の数は次の通りである。
（１）現物出資の目的である財産及びその価額
債権者山本一郎が当会社に対して有する平成２５年３月１日債務承認弁済契約に基づく金銭債権
（弁済期 平成２５年３月１０日） 金７００万円
（２）現物出資をする者の氏名
東京都品川区上大崎１丁目１番１号 山本一郎
（３）山本一郎に対して与える株式
普通株式 ７００株
他の添付書類については次回。
