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行政書士職業倫理2
今日は、行政書士職業倫理の事例2回目です。
業務を行えば、対価としての報酬を頂きます。
しかし、現在、報酬額は自由化されており、
受領方法や金額の決定について、悩ましい部分もあります。
例えば、こんな事例があります。
業者から建設業許可取得を依頼されたA行政書士。
書類作成と申請手続きまでの報酬ということで2万円を貰い、
許可が下りた場合、成功報酬として20万円をいただくという形で、
依頼を受けた。
もし許可が取れなかった場合、成功報酬は貰わないという契約なのですが、
結果的に、許可は無事に下りて、A行政書士は成功報酬の20万円を受け取った。
さて、この事例において、A行政書士の行為に問題はあるでしょうか。
結論から言えば、問題はありません。
もし、紛争性のある法律事務について成功報酬を受け取る場合は、
弁護士法72条違反になる可能性がありますが、
今回の業務は完全に行政書士の業務である建設業許可申請ですので、
受領方法についても問題はありません。
ただ、ひとつ疑念があります。
建設業許可申請の場合、要件さえ満たせば、許可は取れるわけで、
成功報酬はほぼノーリスクで頂けるのではないかという点です。
許可が取れなければ報酬は頂きませんという言い方は、
いかにも行政書士がリスクを背負って業務をしているというイメージを、
顧客に与えることができますが、
許可申請のプロである行政書士には、
今回の案件で許可が取れるかどうかなんて一目瞭然でして、
行政書士からすれば22万円がほぼ確実に受け取れることを知った上で、
このような形で報酬契約を結んでいます。
つまり、顧客との情報格差を利用して、有利な形で報酬契約を結んだと
受け取られる可能性があるのではないか。
商売として、手数料を安く見せる手法を追求することは仕方ないとしても、
あまりやりすぎるのはどうかなと感じますね。
会社設立業務でも、設立費用をゼロにして、場合によっては、
登録免許税部分もダンピングしておいて、
しかし、会社設立後に高額な税務報酬や顧問料金を受け取るやり方は、
顧客のために有益な契約とはいえないと思います。
スマートフォンの契約も同様ですが、
購入時は安く感じるけど、月々の料金を支払う段階で高く感じる。
そんな契約じゃ、顧客との信頼関係は長続きしないと思うのですが、
いかがなものでしょうか。